以前から当ブログでは、
Agodaによる転売トラブルについて、何度か取り上げてきました。
東横インや星野リゾートのような大手だけでなく、我々のような小さなゲストハウスでも
こんな影響が出ているということを伝えるべく書いたのですが、
おかげさまでいくつかのメディアに取り上げていただきました。
(恥ずかしながらYoutubeに取材映像が残っておりますので、ご興味のある方はこちらをご覧ください。)
ご宿泊者に対して、Agodaなど海外サイトへの注意喚起という目的は一定程度達成できたと思うのですが、
同時に「それならなぜ、ゲストハウスはじまりは海外サイトへの掲載を止めないのか?」という疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。
先程紹介したニュース映像では「インバウンド集客のために泣く泣く我慢せざるを得ない」と話しましたが、
実はそれだけではないのです。
今回は、海外サイトに掲載し続ける理由について、私の想いを書いていこうと思います。
※添付写真は、暑い夏に涼しくなれる奈良中南部の滝の写真です。本文には関係ございません。

まず理由の1つは「日本人旅行者でも海外サイトの利用者は多いから」であります。
ゲストハウス開業前は実際に私も、Booking.comを頻繁に利用しておりましたが、
やはりゲストハウスなどの安価な宿の掲載数が多く、
そして検索が他サイトに比べて容易であります。
もしも海外サイトの掲載を止めたら、国内サイトや直接予約では補えきれないと判断しておりますので、
日本人旅行者の為にも、海外サイトへの掲載をやめるわけにはいかないと考えております。

そしてもう1つの理由は「インバウンドの方を一定程度集客したい為」であります。
ただし「売上の為に泣く泣く我慢している」わけではありません。
なぜなら当館の売上構成として、インバウンドは1割~2割程度だからです。
仮にこの分の売上がマイナスになったとしても、
影響がないとは言いませんが経営に支障が出る程ではありませんし、
繁忙期は日本人の方で穴埋めできますので、実質大きなマイナスにはならないはずです。
では売上の為ではないとするならば、なぜインバウンドの方に来ていただきたいのか。
それは「異文化交流を楽しんでいただく機会を作りたい」だと考えているからです。

皆様、日常生活の中で「日本語を話せない外国人」の方と接する機会は
どれぐらいありますでしょうか。
1ヶ月に1人以上いるという方ですら、きっとほとんどいないと思います。
「日本好きで外国に住む外国人と話す」という貴重な機会を
ゲストハウスという場で提供できるということが、
今の時代では実はとても大事なことなのではないかと思っているのです。

昨今の社会は、人気観光地でのオーバーツーリズム問題や、
不法滞在者の犯罪、不動産の投機的売買などにより、
外国人に対して寛容ではない、差別的な空気が広まりつつあるように感じております。
(その象徴が先月の参議院選挙における某政党の躍進でしょうか。)
「お・も・て・な・し」と言って外国人を歓迎していた空気はどこへやら。
訪日外国人観光客は「日本人の暮らしを脅かす存在だ」と認識する方が増えてきているように思います。

そんな方にこそ、是非一度、
訪日外国人観光客(インバウンド)の方と話してみていただきたいと思います。
当館にお越しの外国人の方は皆、
日本の文化・自然・食事・人柄がとても好きだという方が多く、
一般の日本人とコミュニケーションを取りたいと思っておられます。
話してみると、日本のことをよく知ってくれていること、そして
日本を好きでいてくれることに、日本人として嬉しくなると思います。
そして価値観の違いを知ることで、自分の幅が広がっていくことも実感できるでしょう。
英語が話せるかどうか、自信がなくても全く問題ございません!
知ってる単語をいくつか言ってみるだけで十分伝わりますし、
今ではGoogle翻訳で十分コミュニケーションがとれる時代です。
実際当館にお越しの日本人の方でも、外国人の方と話せて良い思い出になったということが、
日常的に起こります。
こういう経験ができるのはゲストハウスならではだと思いますし、
ほどよく外国人の方が来ていただけるよう窓口を開いておくという意味で、
海外サイトへの掲載を止めたくはないと考えております。
自分と価値観が合わない人を排除するような日本社会には、なってほしくないですからね。
(もちろんハウスルールやマナーにまで寛容、というわけではありませんのでご安心ください。館内の秩序を守ることも、私の仕事だと認識しております。)

個人的には宿泊者総数に占める外国人の割合が、
20%というのが理想かなと思っておりますし、
そこを目指して集客に取り組みたいと考えております。
怖がる必要はありません、少しだけ勇気を出して、外国人の方とお話ししてみませんか?
私も間に入りますので、機会があればゲストハウスで
非日常体験に挑戦していただければと思います!
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