6月21日に投稿した
「東横イン「Agoda等海外サイトへの空室転売トラブル」について」というブログ。
ここでは海外系予約サイト「Agoda」に関する予約トラブルと、
トラブルが起こる原因について解説しました。
その後星野リゾート・星野社長もAgodaに苦言を呈し、
観光庁も長官の記者会見にてAgodaについて言及するなど事が大きくなっていき、
ついに7月15日、Agodaが本件に関して公式ホームページ上で
「アゴダ、日本の消費者向けに旅行体験・予約体制を強化」というタイトルで、
プレスリリースを発表しました。(内容はこちらからご覧ください。)

プレスリリースの概要は下記の通りです。
1.アゴダは日本のお客様により良い旅行体験を提供するため、ホテルや業界パートナーと連携し、予約からチェックインまでのサポート体制を強化している。また観光庁と緊密に連携しながら、継続的な改善を進めている。
2.新たな取り組みの一環として具体的に、6月26日付で、特定の第三者サプライヤー経由の在庫の取り扱いをプラットフォーム上で停止した。
3.さらに今後経営陣主導の下、すべてのサプライヤーがアゴダの高い基準を満たすよう、AIを活用した事前監視システムの導入による予約機能の向上や、不正確なコンテンツを未然に自動削除、第三者サプライヤーへの管理体制の強化などを行う予定だ。
4.また今後数カ月以内に、パートナーや消費者向けの24時間365日サポートのさらなるローカライズも進めていく。これにより、チェックイン時にまれに発生するトラブルにも迅速に対応し、さまざまな補償オプションを提供することができる。
5.日本で第一種旅行業者として登録されているアゴダは、今後も日本国内での長期的なパートナーシップの構築に力を入れていく。
このリリースの文面から、今後のAgodaの対応について
以下、ひとつずつ見ていきたいと思います。

<1について>
ホテルや業界パートナーと連携し、予約からチェックインまでのサポート体制を強化している。
これはほぼ原文のまま(強化しています。→している。)書きました。
「強化していく」ではなく、「強化している」です。
これだけのトラブルが現在進行形で起こっているにも関わらず、
既に我々は対応しているんだ、という態度が表れているように思いました。
<2について>
「特定の第三者サプライヤー」とはなんでしょうか。
東横インの問題では、宿がAgodaに在庫情報を提供していなかった(販売依頼をしていなかった)のにもかかわらず、
東横インが情報を提供している海外サイト(Booking.comと思われる)が、
Agodaに転売をしているということが問題となりました。(当館でも同じ問題が起こっております。)
ということは、特定の第三者サプライヤーとは、本件で言うと「Booking.com」となります。
しかし以前も指摘した通り、AgodaはBooking.comの「子会社」であり、
更に世界最大規模とされるBooking.comは、日本国内でも多くの宿泊施設と契約をしておりますので、
Booking.com経由の在庫の取り扱いを停止するなんてことはできるはずがありません。
(実際7月21日付で、当館の空室情報はBooking.com→Agodaへと転売がされ続けております。)
ここから、AgodaはBooking.com以外のサイトからも転売を受けていることが推察されます。
ただ恐らく、Booking.comと比べて極めて小規模である為、
そこを切っても大きな影響はないと判断したのだと思われます。
Booking.comからの転売を止めないと根本的な解決にはならないことは明らかであるにもかかわらず、
今後はより密接な関係になりそうな気がします。
ちなみに、実際に今トラブルが発生している施設として挙げられている東横インや星野リゾートですが、
7月21日時点で、いずれもAgoda上で予約ができてしまう状態にありました。
Booking.comからの転売は続いているのでしょう。

<3について>
完全に論点のすり替えですね。
まるでサプライヤーを悪者扱いし、自分は悪いことはしていないと言わんばかりの文章です。
サプライヤーから転売される情報をそのまま横流しで販売するという、
Agodaの低レベルな基準が、今回の問題の原因ではないでしょうか。
私はあくまで転売自体が問題だと思いますが、もし転売行為が正当化されるとしても、
Agodaの高い基準を、最大の情報元であるBooking.comは守られているのか、
その精査をきちんと行わない限りは、小規模サプライヤーのトカゲの尻尾きりで終わるように思います。
<4について>
「パートナーや消費者向けの24時間365日サポートのさらなるローカライズも進めていく。」
シンガポールに本社を置く企業が、
宿・サプライヤー(転売元)・消費者へのサポートを、日本に合った形に変えていく、ということです。
現在、消費者がAgodaに連絡しようと思っても、ホームページ等で電話番号は一切見当たりません。
「よくある質問(Q&A)」を見て、それでも解決できなければ
メッセージ機能を使ってコンタクトを取る必要があります。
この辺りはAgoda公式ホームページの「ヘルプセンター(こちら)」をご覧いただければわかるかと思いますが、
とにかく電話を嫌がっているんだという姿勢が露骨に表れており、
何が何でも電話番号は表示しないという姿勢が一貫されているように感じます。
確かに私も、なるべくなら電話じゃなくメッセージでやりとりしたいと思うタイプですが、
やはりお客様のことを考え、最終手段としての電話は残していく必要があるとも思っております。
特に日本人は、やっぱり電話が安心という方も多いのではないでしょうか。
「24時間365日サポートのさらなるローカライズ」となると、
電話を一切拒否するという姿勢をまずは改めないと、日本では受け入れられないような気がするのですがどうでしょうか。
<5について>
日本で第一種旅行業者として登録されている
これは知りませんでした、調べたら昨年7月に新規登録をされておりました。(詳細はこちら、リストに記載されております)
だから観光庁がAgodaに業務改善を指導することができたのですね。
4で書かれた「トラブル時の補償」について、トラブル発生時にAgodaはより真摯に、
解決に向けて動く責任がありますし、消費者は消費生活センターなどに相談がしやすくなりますね。
第一種旅行業登録業者として、日本での責任をきっちり果たしていただきたいと思います。

ということで、今回はAgodaのプレスリリースを宿のオーナー目線で解説してみました。
これでもまだ、Agodaを使いたいと思う方はどれほどいるのでしょうか。
やっぱり宿泊施設と直接やり取りできるからこそ、責任もって対処してもらえる、
直接予約が一番良いと思いませんか??
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