10月1日より「インボイス制度」が開始されます。

一般の方がご宿泊される分には何も関係ないのですが、

自営業者や法人名義でのご宿泊、または出張で経費精算を希望される方にとっては

大いに関係のある話になります。

しかしその割にテレビなどでの報道が少なく、制度変更が認知されているのかが不安になります。

（インボイス反対の報道ばかりな気がします。）

10月1日以降、当館ご宿泊の際に皆様が混乱することがないよう、

再度インボイス制度の概要と当館の対応、お客様にお願いしたいことを書きたいと思います。

8月16日掲載のブログと内容はほぼ変わりませんが、ご了承ください。

インボイス制度とは

インボイス制度とは、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式のことをいいます。

インボイスとは適格請求書のことで、制度開始後は適格請求書を売り手と買い手の双方が保存することで、買い手側が消費税の仕入額控除が適用されるようになります。（適格請求書じゃないと買い手側の企業は仕入額控除ができなくなってしまいます。）

そして適格請求書を発行できるのは「適格請求書発行事業者（インボイス登録者）」のみです。

（制度の詳細についてはこちらをご覧ください。）

「適格請求書発行事業者」になるには申請が必要なのですが、当館は申請をするつもりはありません。

では何故申請をしないのか、その理由は下記の通りです。

なぜ適格請求書発行事業者（インボイス）の申請をしないのか

それは、申請をするためには「消費税の課税事業者」になる必要があるからです。

当館は年間売上高が1000万円未満の為、課税事業者ではなく「免税事業者」であります。

（これは節税や脱税などではなく、消費税の仕組みとして成り立っているルールになります。詳細はこちらの国税庁HPをご覧ください。）

課税事業者であれば、お客様へ提供する商品やサービスの「売価」に、「消費税分」を上乗せし「税込価格」として販売されておりますが、

免税事業者は提供する商品やサービスの「売価」に、「消費税分」を上乗せする必要がありません。（消費税を納めていないので非課税価格で提供しているとお考えください。）

こうした仕組みもあり、1泊2500円～という低価格でのご提供が可能となっております。

（消費税は消費者が払うものだと思われがちですが、消費者から預かった事業者が国に納めております。当館は免税事業者の為消費税分の上乗せをしておらず、そもそも預かっておりません。）

課税事業者になると、例え年間売上高が1000万円未満であったとしても、

10%分の消費税を国に治める必要がある為、値上げをしなければならなくなります。

（経理システムが煩雑になることを考えると10%の値上げでは済みません。）

どこもかしこも値上げや価格高騰で苦しい生活を強いられている中、

なるべくご宿泊の皆様に「安全・安心な環境を安価で提供する」べく、免税事業者のままでいたいと考えます。

適格請求書発行事業者（インボイス）にならないことでお客様に生じるデメリットについて

インボイス登録をしないことで、皆様に現状の価格でご宿泊いただける点がメリットであると書きました。

ただし一部のお客様にはデメリットになってしまうこともございます。

それは、個人事業主の方、法人名義でのご宿泊、または出張利用で領収書を経費で落とす場合のご宿泊の際に、会社や経理へ確認が必要となるということです。（まとめるとチェックイン時に領収書が必要という方です。）

これまでは一般的によくある「請求書」or「領収書」があれば、法人or会社側は「仕入税額控除」が可能でした。

（仕入税額控除とは、売上高に発生する消費税額から仕入額や経費に発生する消費税額を引いて国へ納めることができるという仕組みです。）

それが10月からはインボイス登録番号が記載された「適格請求書」もしくは「登録番号記載の領収書」じゃないと「仕入税額控除」ができなくなります。

つまり会社側からすると、適格請求書未記載の領収書だと消費税支払いが増えてしまうということになりますので、

規定によっては「適格請求書発行事業者以外とは取引できない」、

もしくは「登録番号記載の領収書じゃないと経費精算を認めない」ということが起こる可能性がないとは言えません。（経費精算自体は行えますのでそんな会社はないと信じたいですが。。。）

こればかりは当日お越しいただいて「登録番号記載の領収書が欲しい」と言われてもどうしようもありませんので、

インボイス未加盟の宿へ泊まっても良いか、事前に経理部署へご確認いただく必要がございますのでご注意ください。

（予約サイトでの事前カード決済をされた場合でも適格請求書、または登録番号記載の領収書は発行できません。）

そもそもの宿泊費が他と比べても安いので消費税を多めに払ったとしても経費の総額は抑えられると思いますが。。。

まとめ

・当館はインボイス（適格請求書発行事業者）登録は致しません。その為インボイス登録番号入りの請求書や領収書はお渡しできません。

・個人事業主、法人名義でのご宿泊、または出張でのご宿泊で経費精算をされる会社員の方（まとめると領収書が必要な方）は、予約以前に適格請求書ではない請求書、またはインボイス登録番号未記載の領収書でも良いかどうかを、経理の方などにご確認ください。

・本件は個人でご宿泊される方、もしくは免税事業者の個人事業主の方には何も関係ないお話しです。「インボイス登録もしてない宿なんて不安・・・」と捉えず、どうぞ安心してご宿泊いただければと思います。

法人名義でのご宿泊や出張利用の方が今後は当館を選ばなくなるかもしれない、というリスクをとってまで、

当館は消費税分をお客様に負担いただかない「免税事業者」という道を選びました。

何卒ご理解ご協力の程、宜しくお願い致します！