久しぶりの前職豆知識シリーズです!(前回はこちらから)

今回も前々職の「不動産賃貸営業」をしていた経験から、

契約更新時に大家さんor管理会社から「家賃の値上げ」を求められた時の対処法について書いていきたいと思います!

おふさ観音・バラまつり①(2024,5,11撮影)
おふさ観音・バラまつり①(2024,5,11撮影)

値上げを求められるタイミング

契約期間中は当然契約書に書かれた家賃から変わることはありませんので、

大抵の場合は「契約更新時」となります。

一般的な普通賃貸借契約(更新ができる契約)の場合、契約期間は2年とするところが多いです。

そして契約が終了する(契約終期日)約1~2ヶ月前に、大家さんor管理会社から

「更新契約書」と「更新料or更新手数料について」の書類が届きますので、

書面への捺印と、更新料がかかる場合は振込を済ませて、更新手続き完了となります。

大家さんor管理会社から書類が届く際に、次の2年間の家賃の値上げを求められる場合がほとんどです。

そして聞く限りだと「値上げしたいんですけどどうでしょうかー?」というお尋ねではなく、

「次回の契約は家賃が〇〇円(値上げ後の価格)となります。」という書き方が多いようです。

こういう書き方だと、値上げを受け入れないと契約更新できないような印象ですよね。。。

おふさ観音・バラまつり②(2024,5,11撮影)
おふさ観音・バラまつり②(2024,5,11撮影)

更新時の家賃改定について、法律上での取り決めとは

借地借家法第32条は以下の通り規定されております。

「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。」

要約すると、

大家さんから家賃値上げを求めることができるケースは、

・マンションにかかる税金(固定資産税など)が大きく値上がりしてしまった場合

・周辺相場と比べて安すぎる場合

この2点の場合のみ、家賃値上げを求めることができます。

そして家賃は大家さん側の一方的な要求で決まるわけではなく、あくまで

「両者(大家さんと借主)の合意に基づいて決まる」となっております。

昨今の物価高で様々なものが知らないところで値上がりしておりますが、

家賃に関しては憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するという観点からも、

大家さんの儲けを増やしたいという理由だけで家賃を値上げすることはできないことになっております。

おふさ観音・バラまつり③(2024,5,11撮影)
おふさ観音・バラまつり③(2024,5,11撮影)

値上げを求められればどうすればよい?

まずは周辺の賃貸物件で、同じような広さ・築年数の家賃相場を調べましょう。

住宅情報サイト「SUUMO」「HOMES」などで調べると簡単に調べることができます。

もしも調べてみて明らかに今の家賃が安いと感じ、

値上げ後の家賃が周辺相場と同等程度だと感じたのならば、

それは値上げを受け入れるか、値上げ幅を少なくしてくれないかと交渉するしかないでしょう。

ただし今の家賃が周辺相場と大きく差がないのであれば、値上げ要件には該当しませんので、

まずは冷静に、大家さんor管理会社(通知の送り先)に、値上げの理由を聞いてみてください。

ちなみに聞く際は証拠が残るよう、メールか書面でやり取りすることをオススメします。

理由に納得できない場合は、値上げを受け入れられない&このまま住みたい旨をはっきりと伝えてください。

その際文面に「このまま合意に至らない場合は、現行家賃を供託所に供託します。」と書くとよいでしょう。

そうすると余程意志の強い大家さんor管理会社でない限り、値上げ要求を取り下げることになると思われます。

なぜなら両者の合意がなく家賃値上げを強行することも、

合意がないからと言って契約終了と同時に部屋から追い出すことも、

借地借家法上できないことを知っているからです。(裁判で100%負けます。)

適正な理由のない家賃の値上げの場合、

「更新時に家賃を〇〇円上げます」というのは、いわば脅しのようなものであり、

「住めなくなったらどうしよう」とビビッて家賃値上げを受け入れてしまうように仕向けることが狙いだと言えます。

その為「正当な理由のない値上げは借地借家法上できませんし受け入れられない」ということを伝えると、

逆に大家さんor管理会社側が折れてくれる可能性が高くなります。

※供託所とは借地借家法で定義された法務局所管の機関です。家賃交渉が失敗して大家さんが家賃を受け取ってくれない時に、代わりに供託所へ家賃を払うことで借主は家賃を払っているとみなされる仕組みのことを供託制度と呼びます。

これでもまだ大家さんor管理会社が折れない場合は、弁護士に相談するという話を、

万が一向こうから脅迫・恫喝めいたことをしてくる場合は、消費生活センターに相談してみてください。

おふさ観音・バラまつり④(2024,5,11撮影)
おふさ観音・バラまつり④(2024,5,11撮影)

定期借家契約の場合はどうなる?

今までの話は「普通賃貸借契約」の場合です。

契約期間が終われば更新ができずにそのまま契約が終了する「定期借家賃貸借契約」の場合は

これまで書いてきた「更新」ではありませんので、

まずは契約終了後に再度住み続けることができるのか(再度契約することができるのか)を確認し、

その上で新たに家賃を決め直すことになります。

そこで新たな家賃の値段が上がっていたとしても、文句は言えずに受け入れる、

もしくは違う物件を探すということになります。

念のため、契約書のタイトルに「定期借家」という文字がないかどうかを確認してみてください。(ほとんどの賃貸物件は定期借家ではありませんが、まれにあります。シェアハウスは定期借家契約が多いです。)

おふさ観音・バラまつり⑤(2024,5,11撮影)
おふさ観音・バラまつり⑤(2024,5,11撮影)

憲法上の理由から、借地借家法上で借主の権利がとても強く設定されております。

家賃滞納など特段悪いことをしていない限り、追い出されることはありません。

なので理不尽な値上げ要求に対しては、しっかりと意思を持って対応することをオススメします!

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