※今回の前提として、ゲストハウスはじまりは所謂「民泊」ではなく、旅館業法に規定された「簡易宿泊所」となるということを、先にお伝えしておきたいと思います。
先日、大阪府寝屋川市の市長が、
「特区民泊制度から寝屋川市は離脱する」と表明しました。(詳細はこちらから。)
市が目指す「良好な住宅都市」というまちづくりの方針に対して、
旅館業法の規制を緩和してまで旅行者等を受け入れる特区民泊は、そぐわないというのが
その理由のようです。
そもそも特区民泊と普通の民泊は、何が違うのでしょうか。

上記の表は、左から
「簡易民泊(旅館業法に基づき簡易宿泊所として許可されている施設。当館もここに含まれます。)」、
「特区民泊(国家戦略特別区域法に基づく外国人旅行者向けの施設)」、
「民泊(住宅事業活用法に基づく施設)」
となります。
※簡易宿泊所を何故「簡易民泊」というややこしい表現を用いているのかは疑問です。。。
色々書かれておりますが決定的に異なる点は上から2段目、
「滞在及び営業日数の制限」についてです。
当館と同じ「簡易宿泊所」は滞在や営業日数の制限がありませんが、
「特区民泊」は2泊3日以上が条件で日数制限がなく、
「民泊」は1泊2日でも良いですが年間180日以下という制限があります。
民泊事業を「所有する戸建ての空き部屋を無理なく活用」として捉えるならともかく、
ビジネスとして投資の回収、利益の追求をするのならば、
年間の半分を棒に振るような「民泊」ではなく、
「簡易宿泊所」か「特区民泊」を選ぶと思います。
(特区民泊は法律で決められてエリアのみ開業でき、現在は大阪府の他東京都大田区、北九州市、千葉市などごく一部の都市でのみ認められております。特区民泊の95%が大阪府にあると言われております。)
そして簡易宿泊所は「用途地域(開業できる場所が限られている)」の面で制約があり、
また消防や設備面でかなり厳しい制約がありますので、
2泊以上の宿泊が見込めるインバウンド需要が多い地域であれば、
特区民泊がかなり現実的だと思われます。

更に特区民泊は民泊と違い、管理委託の必要性がありません。
なので簡易宿泊所や民泊と違い、特区民泊は緊急時の対応が迅速に行われない可能性が高くなります。
国家戦略としてインバウンドを増やすために設定された特区民泊制度、
当然文化・風習の異なるインバウンドが多く利用することが見込まれ、
それにより住民が秩序の乱れやトラブルを懸念するのは、ある意味当然のことだと思います。
(特区民泊は住居専用地域でも営業できてしまいます。)
その流れで、先月の参議院選挙による「日本人ファースト」を掲げた某政党の躍進。
それに影響された維新の会率いる大阪府・大阪市は、
特区民泊制度の規制を厳しくする方向へ舵を切ろうとしております。
(詳細はこちらのニュースをご覧ください。)

これから民泊制度はどうなっていくのでしょうか。
これまではコロナ禍を除いて右肩上がりだったインバウンド需要と、
それを後押しする政府の政策、また低金利や様々な補助金制度のおかげで、
資金力に乏しい個人でも簡単に民泊を始められる環境にありました。
しかしインバウンドが住民生活を脅かすという「オーバーツーリズム問題」が
社会として無視できない問題になってきている以上、
民泊に対する規制は厳しくなっていくものだと思われます。
ではそれが日本人にとって良いことばかりなのかというとそうではなく、
民泊の数が少なくなると、インバウンドがビジネスホテルやゲストハウスへ更に流れてきますので、
今以上に価格が上がったり、そもそも予約が取れないということにもなってくるからです。

地域と民泊施設が上手く共生して、共に地域の魅力を高め合っていけるように、
主に宿側が誠実に取り組み、地域から信頼を得ることが大事になってきそうです。
当館はゲストハウス(簡易宿泊所)で、インバウンドの構成比率は2割未満ではありますが、
地域社会との共生を目指し、これからも頑張っていこうと思いました!
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