先月末、ついに世界遺産に登録された「飛鳥・藤原の宮都」。

以前投稿した「構成資産紹介その1~宮殿・官衙跡~」「構成資産紹介その2~仏教寺院跡」に引き続き、

今回は「墳墓」の7つをご紹介したいと思います!!

石舞台古墳

石舞台古墳
石舞台古墳
石舞台古墳の石室内部。
石舞台古墳の石室内部。

【概要】

飛鳥時代の権力者・蘇我馬子が埋葬された、明日香村で最も有名な古墳。

7世紀前半に造られ、元々は方墳として墳丘がこんもりとあったのですが、

上部の土が全て剝ぎ取られてしまい、巨石が使われた石室がむき出しになっております。

前方後円墳の時代から、方墳で且つ内部が豪華な時代へと変わっていったことがわかります。

桜に囲まれた石舞台古墳
桜に囲まれた石舞台古墳
桜の時期はライトアップも開催されます。
桜の時期はライトアップも開催されます。

【見どころ】

何と言っても巨大な石室!

石室内に入ることができる古墳が珍しく、その中でも群を抜いて高く大きな石室であり、

30以上もの巨石を用いた、いかに権力者だったかを物語るような古墳です。

国の特別史跡でもあり日本有数の古墳、人生で一度は見ておきたいところです!

菖蒲池古墳

菖蒲池古墳・石室内部
菖蒲池古墳・石室内部

墳丘の端から見た菖蒲池古墳。
墳丘の端から見た菖蒲池古墳。

【概要】

飛鳥時代に造られた、家形石棺が2基並べられた古墳。

墳形が中国の皇帝陵等に採用されていた方墳であることから、有力者の墓であるようですが、

被葬者は今のところ不明です。

(蘇我馬子の息子、蘇我蝦夷、孫の入鹿という説もあります。)

【見どころ】

実際に、家の形をした石棺2基が縦に並べられているところを見ることができます!

ただ今でも墳丘はあるものの、

藤原京造営時から古墳の破壊を伴う土地改良が行われたようで、原型はよくわかりません。

高度成長期にも橿原市で開発が行われた模様です。

石舞台古墳と同じように、後世あまり大切にされなかった、悲劇の古墳なのかもしれません。

牽午子塚古墳

牽午子塚古墳・全景
牽午子塚古墳・全景
牽午子塚古墳・石室
牽午子塚古墳・石室

牽午子塚古墳・石室内部拡大
牽午子塚古墳・石室内部拡大

【概要】

斉明天皇と娘・間人皇女が眠る八角墳。

石室をよく見ると、2名分が隣同士に埋葬できるように造られております。

これまでの古墳や他国でも類を見ない八角形の古墳は、

天皇陵の強力な権威を示すものとして、中央集権国家を目指す日本の象徴であったとされます。

また側にお孫さんの古墳である「越塚御門古墳」が見つかり、そちらも見ることができます。

越塚御門古墳
越塚御門古墳

周囲は綺麗に整備されております。
周囲は綺麗に整備されております。

【見どころ】

2022年に古墳が復元整備され、白いコンクリートで八角形に固められ、

石室などがいつでも見える状態となりました!

これだけの物証があるにもかかわらず「天皇陵指定」されていなかったため、

発掘調査や史跡整備が可能でした。

古墳を作った当時の様子を再現したそうで、

周囲の古から変わらぬ風景も含めて、古代を感じてみていただければと思います!

天武・持統天皇陵古墳

天武・持統天皇陵
天武・持統天皇陵
天武・持統天皇陵 全景
天武・持統天皇陵 全景

【概要】

天武天皇とその奥様である持統天皇が眠る八角墳

藤原京朱雀大路の真南にあることから、都の造営と共に

ご自身のお墓まで一体的に作っていたとされます。

天皇陵指定の古墳にも真偽が問われるものが多いですが、

こちらは鎌倉時代の盗掘時の記録資料からも、

天武・持統両天皇が埋葬者で間違いないとされております。

天皇陵から見た明日香村の風景
天皇陵から見た明日香村の風景

【見どころ】

壬申の乱で勝利し日本という国家を造り、初めて「天皇」を名乗った天武天皇、

その意思を次いで藤原京造営などに携わった、女性である持統天皇。

飛鳥時代を代表し人気の高い両天皇が、1300年以上寄り添って眠っておられます。

村の中でも小高い位置にある為見晴らしがよく、

きっと変わらないこの風景を、陵墓から守ってくれているのだと感じます。

中尾山古墳

中尾山古墳・全景
中尾山古墳・全景
八角墳の角を示す石碑があります。
八角墳の角を示す石碑があります。

【概要】

真の文武天皇陵であることが有力な八角墳

8世紀初頭に造られた終末期古墳。

2020年の発掘調査で八角墳であることがわかり、真の文武天皇陵であることが

ほぼ確実視されております。

(文武天皇は、持統天皇の後継者として藤原京造営や大宝律令に関わった方です。)

2020年現地調査時の現場写真。実際に行っておりました!
2020年現地調査時の現場写真。実際に行っておりました!

【見どころ】

高松塚古墳、更には宮内庁が指定する文武天皇陵、その近くにあります。

一見すると八角墳だとわかりにくいのですが、八角形の角を示す石碑があるので、

わかりやすくなっております!

とにかく人が少なく、それでいて整備されているので、

森林の中を気持ちよく歩き、古代に想いを馳せることができます!

キトラ古墳

キトラ古墳
キトラ古墳
壁画に描かれていた四神のレプリカ(四神の館)
壁画に描かれていた四神のレプリカ(四神の館)
壁画に描かれていた天文図のレプリカ(四神の館)
壁画に描かれていた天文図のレプリカ(四神の館)

【概要】

国内で2例目、石室内から四神や天文図などの壁画が見つかった古墳。

玄武・白虎、青龍・朱雀の四神、十二支の獣面人身像、

更には世界最古とも言われる天文図が描かれておりました。

現在は石室から取り外され、隣接する「キトラ古墳・四神の館」にて

保存管理されております。

キトラ古墳・四神の館
キトラ古墳・四神の館

四神の館。立派な見学施設がなんと無料です!
四神の館。立派な見学施設がなんと無料です!

【見どころ】

1300年の時を超え発見された極彩色壁画。

誰が誰のために、どんな意図をもって書かれたのか、

謎が多い分、その神秘性に感動すること間違いなしです!

わかりやすく見ごたえたっぷりの「四神の館」は無料で見学でき、

実物は年に4回、限定公開されております!

8月いっぱいは西壁「白虎」」が公開中、詳細はこちらをご覧ください!

高松塚古墳

高松塚古墳
高松塚古墳

高松塚壁画館
高松塚壁画館

【概要】

日本で初めての極彩色壁画が見つかった古墳

1972年に石室内から、四神や男女それぞれの人物群像を描いた壁画が発見され、

考古学ブームを巻き起こした、あまりにも有名な古墳です。

キトラ古墳と同様、古墳の築造技術や壁画からは、

唐や高句麗(朝鮮半島)の影響を強く受けたと考えられております。

壁画館内部。石室内を再現したレプリカ。
壁画館内部。石室内を再現したレプリカ。
飛鳥資料館では、高松塚古墳の石室を再現したレプリカがあります。
飛鳥資料館では、高松塚古墳の石室を再現したレプリカがあります。

【見どころ】

キトラ古墳と同じく、1300年の時を超えた極彩色壁画はやはり見もの!

こちらには東西の壁に男子・女子群像が描かれており、

飛鳥時代当時の服装や格好などがよくわかります。

壁画の修理施設はただいま改修中の為、当面の間実物を見ることはできませんので、

しばらくの間は壁画館と現地の雰囲気を重ねて、お楽しみいただければと思います!

高松塚古墳壁画・西壁女子群像
高松塚古墳壁画・西壁女子群像

以上で19の構成資産を3回に分けてご紹介いたしました!

なるべくわかりやすく書いたつもりですが、伝わりましたでしょうか。

「世界遺産登録を機に、飛鳥藤原観光へ!」という方が多くなるかと思いますが、

事前知識なしで行くと、ただの石やお寺、という感想になってしまいかねません。

それはもったいない!

そんな方の為に書きました。

是非ご参考いただければ幸いです!!

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