2か月ぶりとなった本シリーズ。
今回は「割引や限定サービスはなるべく控えよう」というテーマについて
書いていきたいと思います。
開業する前は、本当にお客様が来てくれるのかと不安になります。
そして初めての予約が入る&初めてのご宿泊があるととても嬉しくなり、
せっかくだから何かしてあげたい!と思いませんか。
また思ったほど予約が入らないと不安になり、
「〇月限定で△円引き!」「▲▲をサービス!」をしたくなりませんか。
気持ちはとてもよくわかります。
ただ経験上、安易な割引やサービスは絶対にやめるべきです。
なぜなら、割引やサービスに惹かれて宿泊された方は、
割引やサービスがなくなると、宿泊してくれなくなるからです。
仮に定価5,000円と設定していたところを1,000円引きにしたとしましょう。
オーナーとしては、20%引きの特別価格で提供しているという認識ですが、
初めて宿泊するお客様からすると「4,000円の宿」という認識になります。
(たとえ予約画面に「1,000円引き」と書かれていても、そこは忘れがちです。)
つまり、折角のサービスが、当たり前のこととして認識されてしまうのです。
そしてその後に1,000円引きを辞めた時、
お客様は「以前は4,000円だったのに5,000円へ値上げされてる」と感じ、
もう来てくれなくなります。
さらに、来てくれないからと再度1,000円引きをしてしまうと、
もう沼にハマったのも同然。
1,000円引きが常態化することになるでしょう。
私がお客様の立場で、こんな経験をしたことがあります。
15年以上前に京都でオープンした、あるラーメン屋がありました。
大学生だった私はそのお店の味が好きでよく通っていましたが、
大学卒業と同時に上京したことで、そのラーメン屋のことは忘れてしまっておりました。
そして約5年前、ゲストハウス開業後に、
新店が奈良市にオープンするということを知りました。
調べてみると京阪神で10店舗ほど展開されているようで、懐かしくてすぐに行き、
久々のあの味に感動したのを覚えております。
ここまでなら良いのですが問題はこの後。
公式アプリがあったので登録すると、
「〇ポイント溜まると△円引き」「次回サイドメニュー無料!」といったクーポンが
毎日のように通知が届くようになりました。
最初は嬉しくてずっとチェックし、行く度に利用していたのですが、
頻繁に届くと、それが当たり前のように感じてしまい、
逆にクーポンがないと「損だ」と思うようになってしまいました。
純粋に味が好きで行きたかったのに、クーポンがなくて損だという感情が生まれてしまった結果、
ただ食べたいというだけでは行けないお店になってしまいました。
クーポンの魔力に毒されてしまった自分を情けなく思うと同時に、
あの時アプリを登録しなければ、純粋に楽しめていたのかなとも思います。
とはいえ「ご新規さんをとにかくたくさん集客することが大事!」
という考え方も否定はしません。
当館のような観光地として人気があるわけではない(=需要が少ない)エリアでは、
個人がどれだけ頑張っても「ご新規さんの集客」が爆増することは考えられませんので、
「ご新規さん」が「リピーターさん」になっていただけるようにする必要があります。
元々需要の高い東京や京都・大阪などでは、
集客が成功すれば、リピーターさんに頼らなくても経営が成り立つはずですから、
損益を念頭に入れながら割引策を活用するのは、合理的な選択かもしれません。
ただしゲストハウス開業を目指す方に目指していただきたいのは、
「リピーターさんが来てくださった時の喜びを味わうこと」です。
どんな言葉よりも、どんな口コミよりも、
2回目の予約が入った時の喜びを感じていただきたいなと思います。
ご宿泊者様にとっては嬉しい「割引」「特別サービス」ですが、
運営側としては慎重に検討しましょう。
割引やサービスに喜びを感じていただくのではなく、
「宿泊体験そのもの」に喜びを感じていただけるよう、取り組んでいただければ幸いです!
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