ようやく、半年にかけて開催されていた大阪・関西万博が13日に閉幕しました。
運営費が200億円超の黒字だから、来場者数が2500万人を超えたから成功だという話が聞こえてきますが、
万博の成功は金額や数字で語れるものではないはずです。
当館にも万博利用者が多くご宿泊いただきましたが、
その時に感じたことを基に、隣県の小さなゲストハウスオーナーとして
今回の万博を振り返ってみようと思います。
まず当館に万博目的の方がどれぐらい宿泊されたのか。
期間中、合計63名の方が万博前後にご宿泊されました。
全体の宿泊者比率で見ると約9.4%、
大神神社や明日香村などと同じぐらいですので、多かったと思います。
具体的には、開幕直後にチラホラいらっしゃいまして、そこからは少なくなり、
8月夏休みから徐々に増えだし、9月3連休からとても多くなりました。
また万博だけが目的でただ安いから泊まったという方と、
万博の翌日に奈良観光をする(奈良に用事がある)という方は、
おおよそ半々だったと感じております。
多くの方は「これが万博効果、お客さんが増えて良かったですね」と思われるかもしれませんが、
奈良の拠点・大和八木駅で宿を構え、
かつ奈良の魅力をこの場所から知ってもらいたいと思いながらオーナーをしている身からすると、
万博の前日や翌日に「奈良を観光してもらう」ことこそ、
便利な大和八木で、この安価で頑張っている意味があるんだと思ってしまいます。
なので、奈良に寄らずにただ安いからここに宿泊した、と言われると、
ありがたいのですが心にモヤモヤが残るような感覚がありました。
奈良を好きな方、興味を持っていただいた方、もしくは奈良に用事がある方、
そういう方に宿泊していただけるようなゲストハウスにしていきたいと、
万博期間を通じて感じました。
そんな万博が我々に残したもの、いわゆる「レガシー」とは何でしょうか。
私自身、万博に行けずじまいでしたので雰囲気がわからないのですが、
行った方とお話をする中で、雰囲気や印象に残った事柄を聞いていました。
もちろん「人が多すぎて疲れた」「暑すぎて疲れた」というお声がありましたが、
「海外パビリオンでいろんな国の文化を知れて現地の方と話ができた」という意見も多くありました。
(逆に「未来の技術を感じた」という声はほとんどなかったです。)
日本人の海外旅行離れ、
オーバーツーリズム問題によるインバウンドへの忌避感、
更に参議院選挙での某政党の「日本人ファースト」という排外主義的思想の広まり。
日本人の中で、外国人や他国の文化風習を許容する心が狭くなってゆく中、
海外の方と触れ合い、異国の文化や風習に触れ理解を示すこと。
一過性のものである大屋根リングよりも、
多様性を受け入れるきっかけづくりになったことが、
私は万博の最も大切なレガシーなのではないかと思うのです。
そこまで思うのなら、なぜ私は万博に行こうとしなかったのでしょうか。
それは普段から外国人のお客様とお話しする機会があり、
多様な文化や風習、価値観を積極的に触れることができる環境にいるからです。
何度かこのブログでお伝えしている通り、
当館の外国人比率は約10~15%程度、つまりは5-7人に1人と、
イメージよりも少ないというのが現状です。
少ないからこそ(日本人の中に囲まれているからこそ)、一人一人としっかりお話ができ、
多様な考えを知ることができます。
奈良・大和八木にお越しの外国人の方は総じて皆様良い方ばかり。
インバウンドはマナーが悪い、という印象は全くありません。
ただこれは、日頃から外国人の方と触れ合う立場だからこそたどり着いた考えなのでしょう。
万博に行かれた皆様にも、会場内と同じように、
日頃から外国人とコミュニケーションを取る機会を積極的に作ってみていただき、
多様な文化や価値観に、継続的に触れてみていただければと願います。
そのお手伝いに、全国のゲストハウスは役に立てると思いますよ!
先日の高市新総理の会見でもありましたが、
不法滞在や制度の悪用など、法やルールを守らない外国人に対して、
日本人と同様に厳しく対処していくというのは当然のこと。
ただそれが、排外主義やナショナリズムに繋がらないようにしなければなりません。
今こそ万博が残したレガシーを、更に発展させていくべきなのではないでしょうか。
以前こちらのブログで書いた通り、
まずは身近な外国人に「Hello!」と話すところから始めてみましょう!
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