先週のブログで「価格改定のお知らせ」をさせていただき、

20日より「3-5月分の予約受付」を開始いたしました。(詳細はこちら

経営者の方ならお分かりかと思うのですが、価格を改定するというのはとても勇気がいることです。

既存顧客(リピーターさん)にご理解いただけるのかどうか不安でしたが、

おかげさまで処理が追い付かないほど多くのご予約をいただき、少し安どしております。

今後とも価格に見合った、いや、価格以上のサービスを提供できるよう頑張りたいと改めて思いました。

明日香村・河津桜の丘(見頃:2月下旬~3月上旬)
明日香村・河津桜の丘(見頃:2月下旬~3月上旬)

さて、今回は「価格改定のお知らせ」ブログ内で書いた

「なぜ学割を優遇するのか」について、また「なぜリピーターさん割を導入しないのか」について

私の考えを書いていきたいと思います。

安倍文殊院・桜(見頃:3月下旬~4月上旬)
安倍文殊院・桜(見頃:3月下旬~4月上旬)

なぜ学割を優遇するのか

理由は2つあります。

1.自己負担での長期滞在需要が多いから。

学生でのご利用で多いのは、

夏休みなどの長期休暇に、研修やインターンなどで奈良に滞在する」というもの。

史跡や出土品などの研究、発掘調査のお手伝い、県立医大への研修などがあるのですが、

その多くは「宿泊代は自己負担で」というケース。

もし学割がなく1泊2,800円なら、1ヶ月滞在すると84,000円となり、

ワンルームマンションを借りた方が安いということになりかねません。

安心して奈良での研修・研究に取り組んでいただくために、

1泊2,000円、1ヶ月60,000円のラインを守っていきたいと思っております。

2.コロナ禍で青春が犠牲になった世代に、旅や交流の楽しさを知ってほしいから。

今の大学生は、中学生や高校生時代にコロナ禍を経験していることになります。

我々大人が決めた政策判断により、一度しかない青春を犠牲になった世代です。

そしてようやく自由な大学生活が戻ってきたかと思えば今度は物価高。

旅に行きたくても行けない、もしくは行こうという気分にならない、といった声をよく耳にします。

こうした状況を作ってしまったのは、大学生のせいではなく我々だと思います。

一介の小さなゲストハウスオーナーの私ができることとしては

「いつでも1人2000円」という、シンプルでお手頃な価格を提供することで、

気軽に旅をするきっかけになってほしいと思い、この価格を維持することに致しました。

吉野山・一目千本(見頃:4月上旬~中旬)
吉野山・一目千本(見頃:4月上旬~中旬)

なぜリピーター割を導入しないのか

多くのホテルやゲストハウスなど、他業種でも見られる「リピーター割引」。

会員制やポイントカードもその一種であり、

国内シェアNo.1のアパホテルはポイントカード導入により、リピーターを多く獲得できたとして有名です。

しかし当館は、そんなリピーター割引を開業以来一度も導入しておりません。

その理由は「割引がなくても来てくださる方が、本当のリピーターであり、そういう方にこそ来てほしい」からです。

高見の郷・枝垂れ桜(見頃:4月中旬)
高見の郷・枝垂れ桜(見頃:4月中旬)

当館は(たとえ価格改定後であっても)、エリアで最も安い宿になります。

初めてお越しの際は「価格」を重視されるかと思いますが、

いくら安い宿でも、清潔感がなかったり快適に過ごせなかったりすると、

2回目に行くことはないと思います。

つまり1回目の宿泊で気に入ったからからこそ、2回目→3回目に繋がっていくのだと思います。

我々のような個人事業主は、上司や先輩に仕事内容を評価されたり褒められることはありませんし、

帰り際の「また来ます」を鵜呑みにしては落ち込むだけだということも知ってます。

本当に気に入ってくれたんだと感じるのは、2回目・3回目と来ていただいた時なのです。

リピーターさんからの予約は本当に嬉しいですし、またお会いできた時の喜びは、

ゲストハウスオーナーとして仕事の一番のやりがいです。

しかしリピーター割引をしてしまうと、気に入ったからではなく

「割引があるから仕方なく泊まりに来た」という方が、あるいはそういう思いが多少なりとも入ってしまうかもしれません。

そう感じてしまうことが、純粋に気に入ってリピートしてくださる方への裏切りではないかと思い、

リピーター割引を当初から導入しませんでしたし、今後もしないと思います。

長谷寺・牡丹(見頃:4月下旬~5月上旬)
長谷寺・牡丹(見頃:4月下旬~5月上旬)

こちらのブログでも書いたように、昨年はほぼ毎日リピーターさんがいらっしゃいました。

(しかもまた来てほしいなという方ばかりです。)

リピーターさんとゲストハウスの信頼関係の中に、割引という要素を入れたくないのが、

その理由です。

おふさ観音・春のバラまつりと提灯まつり
おふさ観音・春のバラまつりと提灯まつり

何やら難しそうなことを語ってしまいましたが、

春の奈良は素敵な見所がたくさんありますので、

価格改定や割引についてご理解いただき、ご宿泊をご検討いただければ幸いです。

宜しくお願い致します。

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