昨年来、街中でも観光地でも多くの訪日外国人観光客(インバウンド)を
見かけるようになったという方は多いかと思います。
実際、2024年の訪日外国人数は前年比47.1%増の3686万9900人。
コロナ前2019年を約500万人上回り、過去最高となっております。(詳細はこちら。)
またインバウンドによる日本での消費額も大きく伸びており、
2024年は8兆1395億円に。前年比では53.4%増、2019年比では69.2%増となりました。(詳細はこちら。)
インバウンド消費額は統計的に「輸出」となるのですが、もはや輸出額をカテゴリー別にみても、
自動車関連の17兆9094億円に次ぐものとして、日本経済の牽引役として欠かせないものになっております。(詳細はこちら。)

それなのに。本来は歓迎すべきことなのに。
インバウンド関連で耳にするニュースの多くは「オーバーツーリズム」について。
こちらの記事のように、インバウンドが大量に押し寄せるせいで住民が迷惑している、
観光地も従来の風情がなくなった、ホテル代が高騰し日本人が泊まれない、など、
ネガティブな話題ばかりが報道されております。
それにより、日本人のインバウンドに対する意識・感情でさえも、
ネガティブになっているのではないでしょうか。
「京都駅や奈良公園は外国人だらけで大変だった」という話をよく聞くようになりました。

「おもてなし」の精神で知られる日本人が、
一体いつからインバウンドを煙たがるようになってしまったのか。
それは日本人の心にゆとりがなくなってきている、心の貧しさにあるのではないかと思います。

ゲストハウスのオーナーとして、これまで5年間で延べ5849名(1/23時点)の方と応対しました。
当館のインバウンド比率は10%未満ですので、5000名以上の日本人と接客させていただいたことになります。
そしてここ最近特に感じるのは、「他人に興味がない人」や「質問されるのを嫌がる人」が増えたということです。
チェックインを必ず対面で行っており、その際に何気ない会話として
「観光でお越しですか?お仕事ですか?」や、
「今日はどちらに行かれましたか?」「明日はどちらへ行く予定ですか?」
などと質問させていただくことが多いのですが、特段の事情がないような方でも、
コミュニケーションを取ろうとしない方が増えてきたように思います。
(こんな赤裸々なブログを書いているから警戒されているのかもしれませんが。。。)
これはほんの一例で、様々な場面で私や他のお客様との関りを極力避けようとされている方が、
年齢・性別・居住地問わず増えております。
(お金を払ってるんだから声かけなくてもいいですよね、という態度の方も見受けられます。)
当館は所謂「交流型」のゲストハウスではありませんので無理に交流を推奨しておりませんが、
せめて人として最低限の挨拶や気遣いぐらいはあってもよいんじゃないかなーと思います。
やはりコロナ禍が影響しているのでしょうか。
(インバウンドの方がよっぽどフレンドリーだと感じることさえあります。)

「必要以上に他人を警戒し、巻き込まれないよう振舞うことが大事であり、
その為には最低限の挨拶や他者への気遣いすらも不要である。」
そういう考えは、どんどん日本人を貧しくしていき、
インバウンドを悪者扱いしてしまう。
こうした負のスパイラルに陥ってしまっているのではないかと感じます。
「遠いところからよくお越しくださいました」というおもてなしの精神を思い出すことや、
価値観・文化・風習の違いに少しだけで良いから目を向け、理解してみることが、
心のゆとりを取り戻すことに繋がるのではないでしょうか。
(インバウンドだけに限らず、日本人に対してもそうかもしれません。)
だって、いくら旅だからと言っても、
インバウンドの方は「日本が好きだ」と言って遠いところから来てくださってるんですよ?
インバウンドに逃げられたら日本経済は斜陽産業ばかりになりますよ?

とはいえインバウンドと共存していく為に大切なのは、「ルール・マナー」について。
これについては次回の投稿でお話ししたいと思います。
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