前回のブログの続きです!
先に「インバウンドを悪者にする前に・前編~日本人の心にゆとりがなくなってきている~」をご覧いただいてから、本日のブログをお読みいただけると幸いです。
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「いやいや、外国人はマナーやルールを理解していないから日本人に迷惑をかけてるんだ。」
「まずは外国人が日本のことを理解してくれないと我々も理解できない。」
インバウンドを悪者にしている方は、こんな風に思っている方が多いのではないでしょうか。
今回はゲストハウスのオーナーという、多種多様な方と毎日接する私だからこそお話しできることを
書いていきたいと思います。
まずもって、ゲストハウスにご宿泊される方の中には
ルールやマナーを守らない、疎かにする方が(少ないながらも)一定数存在します。
そして当館の場合、守らない人の比率は日本人だろうとインバウンドだろうと変わりません。
国籍の問題ではなくその人自身、性格の問題であります。
ただし日本と他国で「文化・風習の違い」というものは存在します。
ゲストハウス開業当初、こんなことがありました。
日本に3年以上住む女子留学生が、研修で2週間程当館をご宿泊された時のことです。
礼儀正しくマナーをきちんと守り、とてもフレンドリーだった彼女がある日、
カップラーメンの残り汁をトイレに流そうと、トイレのドアを開けようとしていたのです。
慌てて「何してるの?」と聞くと、何事もないように「残り汁を流そうか」と。
「いつも家でもそうしてるのですか?」と聞くと、「はい、昔からです。」とのこと。
日本ではトイレに残飯類を流す風習はなく、便器にとっても良くないことを伝えると、
ちゃんと理解してくださり、その後トイレに残飯類を持ち込むことはなくなりました。
傍から見るとマナー違反のように思えることも、実は風習の違いだったことがわかりました。
この出来事を受けて、トイレの注意文書に
「トイレットペーパー以外のものは流さないでください。」という一文を追加しました。
皆さま、この出来事は果たして彼女が悪いと思われますか?
彼女は「ただ知らなかった」だけで、悪いことをしたわけではないですよね。
私はまさか残り汁をトイレに流す文化があるとは想像もしてなかったとはいえ、
「トイレットペーパー以外のものは流さないでください。」という
文書を入れる想像力がなかったことを、反省いたしました。
色んな国の文化・風習をもっと学んで、快適なゲストハウスを作っていきたいと思いました。
違いを知って理解することで、改善することができました。
ところが前回のブログでも申した通り、
最近は「他人と関わろうとしない」「文化・風習・価値観の違いを理解しようとしない」人が増えております。
そういう人から見ると、
自分の価値観から少しでもはみ出した考えは、イコール「悪者」になるのでしょう。
これではいつまでたっても、日本人観光客とインバウンドが共存できないのは当然です。
ではどうすればよいのか。
我々から積極的に、日本のルールやマナーを伝えてあげればよいのです。
やっても良いこととやってはいけないことをちゃんと教えてあげれば、共存することができるのです。
当館へご宿泊いただいたことがある方はお分かりかと思いますが、
当館ではチェックイン時に私が、ハウスルールやマナーについて対面でしっかりと説明しております。
インバウンドの方にも同様に、拙いながら想いを込めた英語で説明しているからこそ、
日本人の方と同様に、ルールやマナーを守ってくれているのだと思います。
(もちろん伝え方には注意が必要で、やんわりとした言い方ではなくはっきりと伝える努力は必要だと思います。)
先日、外国人のマナー違反を紹介するこんな記事がありました。(こちらよりご覧ください。)
市の条例で禁止されていると、なぜ誰も伝えないのでしょうか。
よく観光地でのオーバーツーリズム対策として、
注意喚起の看板を立てる、混雑状況をアプリでわかるようにする、入館料を徴収するなどといった
回りくどい方法をとっているケースが多いですが、そうではなく、
人が熱意を込めた英語でルールやマナーを教えてあげれば、ちゃんと守ってくれます。
観光協会も、自治体も、宿泊施設も、飲食店も、
その努力を怠っているからこそ(インバウンドの果実はちゃっかり取りながらも)、
オーバーツーリズムという言葉で、インバウンドを悪者にしているのでしょう。
そして一般の方も、インバウンドを悪者にする前に、
文化・風習・価値観の違いを知って理解した上で、日本のマナーを教えてあげましょう。
英語が話せなくてもジェスチャーでも大丈夫です。思いは伝わりますから。
(TOEIC400点台の私が言うので間違いないです!笑)
日本人は(中学高校であれだけ勉強したにもかかわらず)、
外国の方と話すことを苦手に思い、避けようとする意識があるように思います。
それでも一歩勇気を出して、インバウンドの方と話してみてください。
(ゲストハウスの中でも良いと思います。)
お互いが違いを認めて理解すれば、共存できる社会になる。
インバウンドを悪者にする前に、我々がやらねばならないことはまだまだあると、私は思います。
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