前編からの続きです。
(未読の方は、まずはこちらをお読みいただければと思います。)
クレジットカード決済代行業者「全東信」の破産により、
決済システムを利用していた飲食店のみならず、
多くの企業に影響があるという点を前編では書きました。
後編では、今回の一件を踏まえて、
我々事業者として考えなければならないこと、
そして一般消費者の方に意識していただきたいことについて、
自分なりに思うことを書いていきたいと思います。
事業者として
なぜ多くの飲食店が、割高な手数料を払ってまで
「月6回・8回支払」というサイクルを好んだのか。
月1回の支払ではだめなのか。
それは「1ヶ月分の売上高と同じ分の現金が手元にないから」に他なりません。
仮にそのお店の月平均売上高が100万円だとすると、
その中に経費(その月に支払う分)と利益が含まれます。
経費が80万円だとすると、1ヶ月分の売上高と同じ分の現金=100万円が手元にあれば、
経費を支払うことは可能です。
(支出が110万円という赤字経営の場合はそれだけでは足りませんが。)
月の売上高が100万円、経費80万円、利益20万円であれば、
一般的には「黒字経営」として高く評価されます。
しかし、もし手元に現金が50万円しかない場合はどうでしょう。
その月に80万円の支払いがあるので、30万円足りなくなります。
そして売上高100万円の9割がクレカorキャッシュレス決済の場合、
1割の現金分10万円を加えてもなお、20万円足りません。
こうなると、決済代行会社からの月1回入金では困りますので、
全東信のような「月6回、月8回入金」が必要とされるのです。
80万円の支払いが滞ると、いくら黒字経営だとしても取引先や従業員からの信用がなくなります。
これがいわゆる「黒字倒産」というものです。
コロナ禍当初、無利子無担保の融資が頻繁に行われたのは、
売上が減少して利益が出なくなる「赤字経営」だとしても、
手元に数か月分の現金があれば支払いが可能となり、
結果的に倒産を免れるからでした。
当時叫ばれていた「キャッシュ・イズ・キング」という言葉を、
今回の破産にて再び思い出しました。
消費者に「現金精算のみ」とすれば確かに早く現金を確保できますが、
その分お客様を減らしたり単価が上がらないという副作用が生じます。
多店舗展開や将来への投資の重要性は理解しますが、
なるべくなら売り上げの3か月分、最低でも1ヶ月分、
手元で自由に動かせる現金を保有しておくようにしましょう。
消費者として
今やキャッシュレス化の時代となり、
現金をほとんと、あるいは全く持ち歩かないという方も増えてきております。
国策であり、時代の流れでもあることは理解しております。
資金力のある大手チェーン店などでは全然大丈夫です。
ただ、本当に好きな個人のお店、特に小規模なお店であればあるほど、
お支払いを現金にしてあげてください。
(当館はおかげさまでちゃんと貯めてますので大丈夫です!)
先述した通り「キャッシュ・イズ・キング」、現金は貴重です。
クレジットカードやQRコード支払いは消費者にとって便利なシステムですが、
システムを支える手数料を払っているのは、お店側です。
たかが数%ですが、されど数%。
その分お店の利益が増えますし、すぐに使える現金があると、
支払が円滑になり、黒字倒産のリスクが減ります。
人件費や食材費の高騰で仕入原価が高騰している飲食店などでは、
可能な限り現金払いをしていただければなと思います。
全東信破産の影響はこれから出てくるでしょう。
SNS上では「粉飾決算や怪しいビジネスを見抜けなかった飲食店が悪い」、
「そんなことの為に国が融資を拡大するべきではない」という辛辣な意見がありますが、
今回は飲食店に何も非はありません。
だって融資のプロである63行もの銀行が見抜けなかったんですから。
どうか皆さま、小規模で頑張る小さなお店を温かい目で見守ってあげてください。
よろしくお願いします。
公式Instagramもチェック!
https://www.instagram.com/guesthousehajimari/
★☆ コメント・お問い合わせはこちら ☆★
https://guesthouse-hajimari.jp/contact/index.html#contact_web