先日、世界的高級ホテルチェーン・ヒルトングループが制作したCM動画が、
「日本の旅館を貶めている」として話題になり、その後動画が削除されるという騒動がありました。
※騒動の内容はこちらの記事をご覧ください。
要約すると、旅館は「時間に関するルールが多く制約の多い旅に疲れる」のに対し、
ヒルトンホテルなら「お客様の都合に合わせて融通が利く自由で心安らぐ旅になる」という内容のもの。
旅館関係者をはじめ多くの非難があったようです。
私はゲストハウスオーナーであり旅館経営者ではないですが、
たしかに相手を卑下して相対的に自社を持ち上げるというやり方は、センスが良くないと感じます。
それよりも私は、
「ルールがあること=悪、ないこと=善」というレッテルを、
あろうことかホテル側が貼っている点に違和感を感じました。
私はお客様にとっても「適切なルールがあることで安心して宿泊ができる」と考えており、
全く逆の考え方だと思いました。
ゲストハウスはじまりではチェックイン時に上記パンフレットの内容を、
要点をまとめて説明しております。
例を挙げると・・・
・チェックアウト、共有部、エントランスの時間のルールについて
・ベッドメイキングはセルフサービスである点
・館内は全面禁煙、喫煙者は敷地内の庭にある喫煙スペースをご案内
・ドミトリールームの利用に関するルールについて
その他にも当館の水回り各所や廊下などにも、それぞれのルールを掲示しております。
他人同士が色んなものを共有しながら一つ屋根の下で過ごすゲストハウスで、
ルールのない世界、つまり誰もが自由な行動をとってしまうとどうなるでしょうか。
・夜になっても部屋の外やドミトリー内で声が聞こえて眠れない
・シーツが使われない布団はシミや汚れが目立つ
・禁煙のはずなのにタバコ臭い
・トイレやシャワールームが汚い
こうなることは目に見えております。(実際過去に泊まったゲストハウスでこうした惨状を何度も目の当たりにしました。。。)
もちろん宿側にとってもルールを守っていただくことで、
掃除の時間が確保できたり、設備が綺麗な状態を保つことができるというメリットもあります。
しかしご宿泊者様にとっても、皆がルールを守ることで、
全員の快適な滞在に繋がるということになります。
報道を見る限り、ヒルトンホテルはルールを守らなくても良さそうですが、
完璧な人間ばかりが集まっているから大丈夫ということなのでしょうか。
ホテルには個室だけでなくロビーなどの共有部分も多くありますが、
多くの完璧なホテルマンが全てをカバーするのでしょうか。
完璧とは程遠い私には理解しがたい感覚です。
ゲストハウスとは、安価でベッドを提供してくれる代わりに、
他のご宿泊者様を思いやり、決められたルールに従って安心して過ごすことができる場所。
こういう認識がもっと広まれば、世の中のゲストハウスに対する見方も変わってくるのではないかと、
ヒルトンホテル騒動を機に思いました。
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