先日関西テレビのニュース番組にて、
世界遺産候補「飛鳥・藤原の宮都」に関する特集が放送されておりました。
それをまとめた記事は下記の通りです。(下記をタップしてください。)
【「柱の跡なんて見たって…」 新たな世界遺産候補「飛鳥・藤原の宮都」に待ち受ける試練 “体験が伴わない”ことで抱える課題も】
※Youtubeに動画があります。詳細はこちらより。
冒頭で世界遺産候補の一つである「藤原宮跡」が紹介され、
たまたま居合わせた観光客の方にインタビューをされたところ、
「柱の跡なんて見たってねぇ」という、記事のトピックにもなったコメントがありました。
確かに、大極殿や朱雀門などが復元されている世界遺産「平城宮跡」と違い、
こちらは大極殿跡や朝堂院跡にオレンジ色の柱が数本立っているだけで、
藤原京の当時の様子や迫力を目で体験することは難しいです。
では藤原宮跡は「行くべきではないつまらない場所」なのか。
そんなことはありません。
楽しみ方を知っていれば、ハマる方にはハマるかと思います!
上記記事や動画で関西大学教授がお話しされているように、
ここには千数百年前の万葉集に詠を残したような景色が広がっております。
その理由は、北に「耳成山」東に「香久山」西に「畝傍山」という、
いわゆる「大和三山」が、平地からでもはっきりと望むことができるからです。
ということは、当時の都の人たちと「同じ景色を見ている」ということです。
都市部の場合、史跡自体は綺麗でちゃんと保存されていたとしても、
周辺部分は開発によって住宅やビルが建ち、数百年前の人たちが見てきた風景は
もう影も形もないでしょう。
(平城宮跡は中に電車が通ってますし、平安京なんて何もないですよね。)
史跡を観光するということは、保存・復元された「今」の状態を見るだけではなく、
数百年前の「昔」を想像することで、もっと楽しくなります。
藤原宮跡だけでなく、明日香村の史跡に関しても同じことが言えます。
「今」はなんだかよくわからない石のように見えるものも、
意味があって作った「昔」の人がいて、千数百年の時を超えて同じ石に触れているということ。
書物や動画では感じることができない、古代の方と共有している・繋がっているという感覚こそ、
明日香村観光で最も大事な心構えなんだと考えております。
とはいえ、どんな方にもオススメかと言われれば、そんなことはありません。
スタンプラリーのように観光地を忙しなく巡る旅を志向する方には、
きっと飛鳥・藤原は向いていないと思います。
「今」を見て「昔」を想像するのには、その地で落ち着いて深呼吸して空気を感じ、
周囲までくまなく見ることが必要ですが、
タイトなスケジュールを組んでしまうとそんな余裕はないでしょう。
そういう方は、わかりやすくプチ体験ができる神社仏閣などをオススメします。
飛鳥・藤原エリアは、多少でも時間に余裕のある方にオススメ。
土地の空気や周辺の山並みなどを感じながら、
今を見て昔を想像し、古代の方と感覚を共有する・繋がることを、
忙しない日常では味わえない贅沢だ、と感じていただける方にこそ、
飛鳥・藤原エリアにお越しいただきたいと思います。
今回の世界遺産登録が、そういう方の下に届くきっかけになれば良いなと考えますし、
この地で宿を営む者として、積極的な情報発信や
宿泊者への共有を行っていきたいと感じております!
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